-序章・それはいつものこと-

バシュゥ・・・ッ


強烈な発射音がアリーナに響く。
実弾兵器にはない、なにかが破裂するような音。
大型プラズマライフル・・・の破壊の声。
この音を聞いただけで恐怖するレイヴンもいるくらいだ。
膨大なエネルギーを消費し、圧倒的な破壊力を生み出す兵器だが
扱いが難しいため、使うものはあまりいない。しかし――
ここのアリーナでは、かなり有名な武器となっている。
これを使って圧倒的な強さを見せつけるレイヴンが現れたからだ。

バシュゥ・・・ッ
また同じ音が響く。
この音がするたびに、相手機体のパーツが消滅していく。

グシャッ
ついに機体が崩れ落ちた。
ACは耐久力が限界に達すると、セーフティシステムが自動的に動き
強制的にその機能を停止する。
実戦とは違い、アリーナでは機体が戦闘不能になった時点で勝負が
決まる。まれに”事故”が起こることもあるが…。

「WIN」

相手機体沈黙と同時に、紗輝のコンソールに勝利の表示が出た。
試合終了。
機体は自動的に待機モードに移行



しなかった。

『ぁ・・・っ、はやく、機体からはなれて!』
相手は機能停止した機体から慌てて降りていく。

直後


ドゴァ!

紗輝の機体 −ディザスタープリンセス− からグレネードが放たれた。
爆炎が広がる。パイロットは・・・かろうじて無事なようだが。
機体は完全に破壊炎上。残ったパーツがあたりに散らばる。
それでもまだディザスタープリンセスは止まらない。
とどめとばかりにプラズマライフルが容赦なく叩き込まれる。

数秒後、炎が消えた。
ACごと。
ACが存在した痕跡すら見当たらない。
プラズマライフルの集中砲火により蒸発したようだ。
機体の消滅を確認したのか、ディザスタープリンセスの動きが止まった。

『はぁ・・・またやっちゃったよぉ・・・』
手で顔を抑えつつ、ため息を一つ。

〜災厄の姫君〜 こと「紗輝が」来てからは
これがここのアリーナの日常だった。


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